当社は、損傷自動車修理の工賃算定をより合理的なものにするために、その要素である脱着・取替、板金および塗装に関し、一定の前提条件を定めた上で標準的な修理作業時間を示す指数(国産車・輸入車)を作成しています。
国産車は新型およびフルモデルチェンジの乗用車(軽自動車を含む)のほぼ全車種、輸入車は国内販売台数の多い乗用車を中心に指数を作成しています。
また、指数作成の車種を対象に、指数の作業範囲や適用方法などを車両構造のイラストを用いて解り易く説明した「構造調査シリーズ」を発刊しています。
当社は1976年に日本で初めて、損傷自動車修理の「標準作業時間表」を公表しました。
当時、急激なモータリゼーションを背景に自動車事故が急増する中で、修理料金の算定方法について解り易さを求める声が聞かれるようになり、諸外国の例も踏まえて修理の標準的な作業時間を策定することとなりました。
当初は実測作業に基づく標準作業時間表の作成に膨大な時間を要しました。そこで海外調査や研究を重ね1985年からは「基表方式」により指数の作成を開始しました。基表方式とは、それまでに測定した作業データを統計的に処理することにより得られた、たとえばスポット1点、ボルト1本等最小単位の締結要素や作業要素毎の「基表値」を用いて指数を作成する方法で、この方式の採用により車両構造や修理方法など必要な調査を実施することで迅速に指数を作成できるようになりました。
指数の基表値は、最小単位の締結要素や作業要素の単位工数となりますが、車両の構造・素材・技術などの変化により締結要素や作業要素における新たな開発や変更が行われた場合は、それらに対応する新しい基表値を策定しています。また、新たに策定した基表値の作成プロセスや結果の妥当性など 指数の客観性・透明性の維持向上を図る目的で有識者との会議を毎年開催し専門家のご意見を聴取しています。